WordPressテーマの更新方法をご紹介します。テーマは、ワードプレス管理画面で簡単なクリック操作をするだけでアップデートできます。しかし、この記事を読めば、もっと安全にテーマを更新する手順がわかります。また、WordPress5.5で加わった、テーマの更新に関する新機能についてもご紹介します。
テーマ更新前にやるべきこと
WordPressのテーマは、作成者によってバージョンアップが実施されることがあります。利用しているテーマを最新版に変更することを、更新(アップデート)といいます。
テーマの更新手順そのものは、決して難しい作業ではありません。ただ、より安全にテーマを更新するためには、面倒ですが事前に次の2つを完了させておくことが大切です。
テーマ更新前にやるべきこと
- バックアップを取っておく
- WordPress本体を最新版に更新する
バックアップを取っておく
テーマを更新することによって、ブログの表示が崩れたり、管理画面にログインできなくなったりするなど、不具合が発生する可能性があります。バックアップを取っておけば、万が一トラブルが生じてもすぐ元に戻すことができます。
バックアップを取るには、プラグインを利用するのがおすすめです。「UpdraftPlus」プラグインなら、バックアップだけでなく復元も簡単にできます。
WordPress本体を最新版に更新する
テーマがバージョンアップされる理由の1つに、「WordPress本体の新機能に対応するため」というものがあります。
たとえば、あるテーマでWordPress5.5の新機能にあわせたバージョンアップがおこなわれ、あなたはそのテーマを更新したとします。しかし、もしあなたがWordPress5.4を使っていたら……。不具合が起きるかもしれない、と予想できますよね?
公式テーマと非公式テーマの違い
テーマの更新方法に進む前に、公式テーマと非公式テーマの違いについて説明します。なぜなら、公式テーマと非公式テーマとでは、更新方法が異なるからです。
公式テーマ
WordPress公式サイトのテーマディレクトリには、安全性に関するガイドラインをクリアしたテーマがたくさん登録されています(2020年8月時点で約7,700個)。これらは一般的に公式テーマと呼ばれ、ほとんどが無料で使うことができます。
公式テーマは、管理画面[外観]>[テーマ]の新規追加画面から簡単に手に入れることができます。また、WordPressをインストールした直後にも、いくつかの公式テーマが自動的に追加されます。

非公式テーマ
一方、Web上には公式サイトに登録されていないテーマも数多く販売・配布されています。当サイトで利用している「SWELL」や、初心者さんにオススメの「賢威」などのテーマも、非公式テーマです。
「SWELL」「賢威」の詳細は、WordPress初心者におすすめのテーマをお読みください。
公式テーマと非公式テーマとでは、更新手順が異なります。あなたが使っているのは、どちらのテーマですか?
公式テーマの更新方法
公式テーマを更新する方法には、次の2つがあります。
手動で更新する
公式テーマのバージョンアップが実施されると、以下の2つの画面上に「新しいバージョンに更新できるよ!」という内容のメッセージが表示されます。
- 管理画面[ダッシュボード]>[更新]
- 管理画面[外観]>[テーマ]
管理画面[ダッシュボード]>[更新]からテーマを更新する
管理画面[ダッシュボード]>[更新]をクリックすると、WordPress の更新画面が開きます。
更新したいテーマにチェックを入れて[テーマを更新]をクリックすると、テーマの更新が始まります。
![WordPress管理画面[ダッシュボード]>[更新]で 「テーマを更新」をクリック](https://wp-exp.com/wordpress/wp-content/uploads/wordpress-theme-manual-update-1-1.png)
更新が完了すると、以下の画面が表示されます。

この記事の後半「更新後にトラブルが発生したときの対処法」をお読みください。
管理画面[外観]>[テーマ]から更新する
管理画面[外観]>[テーマ]をクリックすると、インストール済みのテーマが一覧表示されます。
更新したいテーマの[今すぐ更新]をクリックすると、テーマの更新が始まります。
![WordPress管理画面[外観]>[テーマ] 「新しいバージョンが利用できます。今すぐ更新」](https://wp-exp.com/wordpress/wp-content/uploads/wordpress-theme-manual-update-2-1.png)
更新が完了すると、以下の画面が表示されます。

この記事の後半「更新後にトラブルが発生したときの対処法」をお読みください。
自動更新を設定する
自動更新と聞くと便利に思えるかもしれませんが、結論から言うとあまりおすすめはできません。なぜなら、自動更新される直前にテーマ更新前にやるべきことを実行できないからです。
もしテーマの自動更新によって不具合が発生しても、すぐに対処するのは難しいです。リスクがあることを理解したうえで自動更新を設定するには、管理画面[外観]>[テーマ]でインストール済みのテーマ一覧画面を開きます。
自動更新を設定したテーマにマウスを合わせ、[テーマの詳細]をクリックします。

[自動更新を有効化]をクリックすると、テーマの自動更新が設定されます。

非公式テーマの更新方法
非公式テーマでは、新しいバージョンが公開されても管理画面上に通知されない場合もあります。
下の画像は、「賢威」テーマの最新版ではないバージョンを利用している状態での、テーマ一覧画面です。最新版ではないのに、新しいバージョンが使える内容のメッセージは表示されていません。

ちなみに賢威の場合は、ダッシュボードの「賢威サポートチームからのおしらせ」の中で、テーマのバージョンアップについて通知されます。

非公式テーマのバージョンアップ情報を知る方法は、テーマによって異なります。
テーマの更新方法についても、テーマ独自の機能(たとえば自動更新機能など)が用意されているものがあります。非公式テーマを使っている場合は、まずは公式マニュアル等で簡単・安全に更新できる方法がないか確認してみてください。
ここからは、非公式テーマを更新するための基本的な方法をご紹介します。
ZIPファイルのアップロードでテーマが更新できるようになった
WordPress 5.5では、管理画面からテーマのZIPファイルをアップロードすることで、テーマを更新できるようになりました。
非公式テーマを入手するには、配布元から「ZIP」という圧縮形式でダウンロードするのが一般的です。「圧縮」には、データの内容を変えずにサイズを小さくできるメリットがあります。
WordPress 5.4以前では、ZIPファイルをアップロードできるのはテーマの「新規追加」のときだけでした。
テーマの一覧画面で、[新規追加]をクリックします。

[テーマのアップロード]をクリックします。

[ファイルを選択]をクリックしてZIPファイルをアップロードし、[今すぐインストール]をクリックします。

ZIPファイルによる更新が可能な場合、下図のように表示されます。
をクリックすると、テーマの更新が始まります。

下図のように表示されたら、テーマの更新が完了しています。

この後の「更新後にトラブルが発生したときの対処法」をお読みください。
更新後にトラブルが発生したときの対処法
もしテーマ更新後に不具合が生じた場合は、以下の方法で更新前の状態に戻してやりましょう。
ワードプレス管理画面にログインできる場合
管理画面を表示できる場合は、テーマ更新前に取っておいたバックアップデータを利用して、簡単に復元することができます。
ワードプレス管理画面[UpdraftPlus]>[バックアップ/復元]をクリックします。

[既存のバックアップ]一覧から、復元したいデータの
をクリックします。
あとは指示にしたがってクリックしていくだけです。詳しい手順は、UpdraftPlusプラグインなら復元(リストア)もかんたんをご覧ください。
「Restore successful!」と表示されたら、復元が完了です。テーマ更新による不具合が解消されたかどうか、確認してください。
ワードプレス管理画面にログインできない場合
UpdraftPlusテーマを利用した復元は、管理画面にログインできないと実行できません。こんなときは、まず不具合の原因となった更新後のテーマファイルを、いったん削除してやります。
テーマファイルはサーバー内に保管されているため、削除するにはFTPソフトを使います。
サーバーにあるファイルをダウンロード・編集したり、サーバーへファイルをアップロードしたりすることができるソフトウェアです。「Filezilla」「FFFTP」「WinSCP」などの無料ソフトがよく使われています。
ドメイン/public_html/wp-content/themes
不具合の原因となったテーマファイルを削除したうえで、ワードプレス管理画面にログインできないか試してみてください。ログインできたら、ワードプレス管理画面を表示できる場合の手順を参考にして、テーマ更新前の状態に復元します。
ここまでの手順で解決できない場合
テーマの公式マニュアルやサポートフォーラムがあれば、チェックしてみましょう。
当サイトで使っている「SWELL」は、マニュアルやサポートがとても充実しています。
SWELLの特徴を見てみる
テーマがバージョンアップされる理由
ここまで、テーマを更新する方法をご紹介しました。そもそも、テーマはなぜバージョンアップされるのでしょうか。主な理由は、次のとおりです。
- セキュリティーの強化
- バグ(エラーなど)の修正
- 機能の充実化
- WordPress本体の更新への対応
テーマはたくさんのファイルからできていて、その中にはプログラムが含まれています。プログラムに脆弱性(セキュリティー上の欠陥)が見つかると、悪意ある攻撃のターゲットとなり得るため、多くのテーマ作成者はセキュリティーの強化を図った新しいバージョンを公開しています。
テーマの更新はなるべく早めにしたほうがよい理由
テーマを構成するプログラムの内容は、誰でも簡単に見ることができます。このことは、セキュリティーを強化する前と後のプログラムを簡単に比較できることを指しています。
つまり、攻撃者にとっては更新前のテーマのどこを攻めればよいかが一目瞭然なわけです。セキュリティーが強化されたテーマの更新を長期間放置してしまうと、攻撃者にとって格好のターゲットとなってしまいます。
また、テーマにバグ(作成者の意図とは異なる動作をする不具合)が見つかった場合の修正や、機能の追加や改良を目的としたバージョンが公開されることもあります。
さらに、WordPress本体の更新(特に大規模な更新となる「メジャーアップデート」)に合わせて、テーマがバージョンアップされることも多いです。その理由を簡単に言えば、WordPress本体とテーマとの相性を良くするためです。
テーマがバージョンアップされた理由を確認するには?
インストール済みのテーマ一覧画面で[テーマの詳細]をクリックし、[バージョンx.xの詳細を表示]をクリックすると、テーマがバージョンアップされた理由を確認することができます。ただし、多くのプラグインが英語による説明です。

テーマがバージョンアップされる理由は、WordPressを安全・便利に運営するためには欠かせないものばかりです。新しいバージョンが公開されたら、テーマは早めに安全な方法で更新するべきですね。
テーマの使用状況を見直そう
テーマの更新を放置することの危険性について、理解していただけたでしょうか?テーマは導入するときだけでなく、導入した後のメンテナンスも大切なんですね。
この際、テーマの使用状況を見直してみませんか?
WordPressをインストールした直後から、すでにいくつかの公式テーマが初めからインストールされていたと思います。これらは、「デフォルトテーマ」といいます。

また、あるテーマを試してみたけど、気に入らなかったので別のテーマに変更し、そのまま放置しているということはありませんか?
もし使っていないテーマがあるなら、管理画面から削除しておきましょう。

- デフォルトテーマは、1つ残しておく
- 使っているテーマに問題が発生すると、WordPressは自動的にデフォルトテーマを適用する仕様となっています。そのため、デフォルトテーマはすべて削除するのではなく、緊急時用に1つは残しておきましょう。
テーマのバージョンアップは、安全性に大きく影響する場合があります。長期間バージョンアップされていないテーマを使うのは危険です。
公式テーマの場合、テーマディレクトリにアクセスすると、テーマの最終更新日を確認することができます。
最終更新日の確認方法
使っているテーマ名で検索します。今回は「Twenty Thirteen」というテーマを検索してみました。検索結果に表示された「Twenty Thirteen」をクリックします。

画面右側に、最終更新日が表示されます。

まとめ
WordPressのテーマを安全に更新するため、事前にやるべきことは次の2つです。
- バックアップを取っておく
- WordPress本体を最新版に更新する
テーマを更新する手順は、公式テーマと非公式テーマとで異なります。
公式テーマを更新する方法には、手動更新と自動更新があります。テーマの自動更新はWordPress 5.5の新機能ですが、更新後の不具合に備えるのが難しいためおすすめしません。
また、管理画面からZIPファイルをアップロードすることでテーマを更新できるようになりました。この新機能により、特に非公式テーマの更新が簡単になっています。
更新後にトラブルが発生した場合は、UpdraftPlusプラグインを使って復元します。管理画面にログインできない場合、FTPソフトなどを利用して、更新したテーマファイルを削除してから復元するのがスムーズです。
テーマがバージョンアップされるのは、
- セキュリティーの強化
- バグ(エラーなど)の修正
- 機能の充実化
- WordPress本体の更新への対応
などの理由があり、WordPressを安全・便利に運営するためには欠かせないものばかりです。新しいバージョンが公開されたら、テーマは早めに安全な方法で更新するべきです。
テーマは導入するときだけでなく、導入した後のメンテナンスも大切です。使っていないテーマを放置していないか、使っているテーマは最近バージョンアップされているか、一度見直してみましょう。