WordPressのバックアップを取る方法を紹介します。ワードプレス初心者の方でもかんたん確実にバックアップを取ることができます。
この記事でわかること
- 何のバックアップを取ればいいのかがわかります
- いつバックアップを取ればいいのかがわかります
- 簡単なクリック操作だけでバックアップと復元ができるようになります
WordPressのバックアップの基本を知ろう
バックアップの作業に入る前に、まずはバックアップの基本的なことについて知っておきましょう。
そもそも、バックアップとは?
バックアップとは、万が一に備えてデータを別の場所に保存しておくことをいいます。もし、ブログ・サイトが表示されなくなるといったトラブルが発生しても、バックアップデータがあればトラブル発生前の状態に戻すことができます。
WordPress関連データの保存場所
WordPressに関わるデータは、主に次の2か所に保存されています。
- データベース
- サーバー
データベースには何が保存される?
データベースには、記事の内容やコメント、WordPress管理画面での設定内容などのデータが保存されます。
サーバーには何が保存される?
サーバーには、WordPress管理画面からアップロードした画像、テーマ、プラグインなどが保存されます。WordPressというソフトウェアそのものも、サーバーにインストールされています。
バックアップを取るべきものは?
WordPressを使う上でバックアップを取るべきものは、「データベース」と「ファイル」です。
ワードプレス本体やテーマ・プラグインなどの更新があるとき、WordPressの管理画面には通知(赤い丸で囲まれた数字)が表示されます。この通知をクリックしたとき、「更新の前にデータベースとファイルをバックアップしてください。・・・」というメッセージが表示されるのを見たことはありませんか。

ここでいう「ファイル」は、先ほど【サーバーには何が保存される?】で説明した画像、テーマ、プラグインなどを指しています。
つまり、WordPressでバックアップを取るべきものをもう少し細かく分けると、次の4つになります。
- バックアップを取るべきもの
-
- データベース内のデータ全体
- アップロードした画像
- テーマ
- プラグイン
バックアップを取るタイミングは?
バックアップは、定期的におこなう必要があります。その理由について、WordPressでトラブルが発生する主な要因から考えてみましょう。
- WordPressでトラブルが発生する主な要因
-
- テーマのカスタマイズ
- テーマ・プラグインの更新(アップデート)
- WordPress本体の更新(アップデート)
- サーバーの障害・故障
- ブログ・サイトへの攻撃
[1.テーマのカスタマイズ] や [2.テーマ・プラグインの更新] については、WordPressの管理者が手動でおこなう操作です。なので、これらの操作を実行する前にバックアップを取っておけば、いざという時に復元することができます。
問題なのは、[3.WordPress本体の更新] [4.サーバーの障害・故障] [5.ブログ・サイトへの攻撃] のときです。なぜなら、これらの要因によるトラブルは、いつ発生するか予測できないからです。
WordPress本体の更新については、WordPressをアップデート(更新)するでくわしく解説しています。
記事の更新頻度などにもよりますが、週1回くらいはバックアップを取ることをおすすめします。
WordPress初心者向けのバックアップを取る方法
バックアップを取るべきデータは、データベースやサーバーの中に保存されています。これらのデータをバックアップするには、別の場所に保存しなおさなければなりません。
通常であれば、データベースやサーバーの内部を管理するためのツールなどを使ってバックアップを取るのですが、ウェブ初心者さんにとっては難しい作業です。
そこでご紹介するのが、初心者さんでも簡単で確実にバックアップができるプラグインです。
UpdraftPlusプラグインでかんたんバックアップ
「UpdraftPlus」は、簡単なクリック操作だけでデータベースやファイルのバックアップができるプラグインです。UpdraftPlusプラグインをおすすめする最大の理由が、バックアップだけでなく復元も簡単にできる点です。
UpdraftPlusプラグインの主な機能
手動でも自動でも
UpdraftPlusは、テーマのカスタマイズ前など任意のタイミングで手動バックアップができるほか、週1回などの自動バックアップを設定することもできます。
バックアップするデータを選べる
データベースとファイルを一括でバックアップができるのはもちろん、「データベースのみ」「テーマのみ」「プラグインのみ」など個別に指定することもできます。
データ保存場所を選べる
初期設定では、バックアップデータの保存場所はサーバー内の1か所だけですが、クリック操作だけでパソコンにダウンロードしたり、「Dropbox」や「Google Drive」などと連携すればオンラインストレージに自動保存したりすることも可能です。

パソコンやオンラインストレージにも保存しておくことで、サーバー内のデータが破損した場合でもバックアップデータを取り出すことができますね。
復元がとても簡単
多くのバックアップ用プラグインでは、バックアップデータは簡単に保存できるものの、『復元は手作業で』というものも少なくありません。UpdraftPlusプラグインでは、手動/自動でバックアップしたデータをもとに、簡単なクリック操作で復元することができます。
UpdraftPlusプラグインのインストール・有効化
UpdraftPlusを使うためには、プラグインのインストールと有効化が必要です。UpdraftPlusはWordPress公式ディレクトリに登録されているので、管理画面から簡単にインストールすることができます。
手順1
管理画面メニュー[プラグイン]>[新規追加]をクリックします。
![WordPress管理画面[プラグイン]>[新規追加]をクリック](https://wp-exp.com/wordpress/wp-content/uploads/2011/03/plugin-new-addition.png)
手順2
キーワード「UpdraftPlus」で検索し、UpdraftPlus WordPress Backup Plugin の をクリックします。

手順3
インストールが完了したら、 をクリックします。

手順4
有効化が完了すると、WordPress管理画面の[設定]メニューに[UpdraftPlus Backups]が追加されます。クリックすると、プラグインの操作画面が開きます。
![WordPress管理画面の[設定]メニューに[UpdraftPlus Backups]が追加](https://wp-exp.com/wordpress/wp-content/uploads/wordpress-menu-UpdraftPlus.png)
UpdraftPlusプラグインの手動バックアップ
手順1
手動でバックアップするには、[バックアップ/復元]画面で をクリックします。
![[バックアップ/復元]画面で「今すぐバックアップ」をクリック](https://wp-exp.com/wordpress/wp-content/uploads/UpdraftPlus-manual-backup-1.png)
手順2
バックアップを取るデータを指定します。初期状態では、「データベース」と「ファイル」のバックアップを取るようになっています。今回は、このままの状態で をクリックしてみましょう。

[バックアップ内のすべてのファイルを含める]の右側にある(…)をクリックすると、バックアップを取るファイルの種類を選択できます。

手順3
バックアップが終了すると、以下の画面が表示されます。 をクリックしてください。

UpdraftPlusプラグインの自動バックアップ
手順1
自動バックアップをおこなうには、[設定]タブをクリックします。
![UpdraftPlusの[設定]タブをクリック](https://wp-exp.com/wordpress/wp-content/uploads/UpdraftPlus-auto-backup-1.png)
手順2
ファイルバックアップとデータベースバックアップのスケジュールを設定できます。たとえば、週に1回ずつバックアップを取り、およそ2ヶ月保存しておきたい場合は、[毎週]を選択し[8]と入力します。画面下にスクロールして、 をクリックすれば、自動バックアップの設定が完了です。

サーバーの不具合に対応するためのバックアップ
これまでにご紹介した手動/自動でバックアップしたデータは、サーバー内に保存されています。このままの状態では、もしサーバーに故障や障害が発生して他サーバーに移転せざるを得なくなった場合に、対応することができません。
このリスクを回避するには、サーバー以外の場所にもバックアップデータを保存しておくことが必要です。その方法として、UpdraftPlusプラグインでは次の2つの機能が用意されています。
- バックアップデータのダウンロード
- オンラインストレージへの自動保存
バックアップデータをダウンロードする
UpdraftPlusプラグインでは、バックアップデータを簡単にダウンロードすることができます。
手順1
ダウンロードしたいバックアップデータをクリックします。

手順2
をクリックすると、データをパソコンに保存することができます。

UpdraftPlusプラグインとオンラインストレージを連携させる
UpdraftPlusプラグインは、オンラインストレージと連携させることができます。連携先には、バックアップデータが自動的に保存されるようになります。
連携の設定は必須ではありませんが、より確実にバックアップを取るためにオススメしたい作業です。今回は例として、Google Drive(Google ドライブ)と連携させる手順を紹介します。

ブログ・サイト運営に必須といえる「Google アナリティクス」や「Search Console(サーチコンソール)」を利用していれば、Google アカウントを持っていますよね?同じアカウントで、Google Driveを使うことができますよ。
手順1
UpdraftPlusプラグインの[設定]画面でGoogle Driveを選択し、画面下にスクロールして をクリックします。
![UpdraftPlusプラグインの[設定]画面でGoogle Driveを選択](https://wp-exp.com/wordpress/wp-content/uploads/UpdraftPlus-GoogleDrive-1.png)
手順2
認証作業をするよう要求されます。[このリンクをクリックして、・・・」の部分をクリックしてください。

手順3
Googleにログインします。

手順4
UpdraftPlusを信頼できる場合は、 をクリックします。

手順5
以下の画面が表示されたら、Google Driveとの連携が完了です。 をクリックしてください。

UpdraftPlusプラグインの画面に戻り、「成功:Google Driveアカウントを認証しました」と表示されます。

以降、手動/自動バックアップしたデータをGoogle Driveにも自動保存することができます。
手動バックアップの場合は、Google Driveにも保存するかどうかを選択することができます。

Google Driveに保存されたバックアップデータは、「UpdraftPlus」というフォルダにあります。

UpdraftPlusプラグインなら復元(リストア)もかんたん
UpdraftPlusプラグインは復元が簡単なのも魅力です。簡単なクリック操作だけで、復元をすることができます。
手順1
[バックアップ/復元]画面を開き、既存のバックアップから復元に利用したいデータの をクリックします。

手順2
復元するコンポーネント(データ)にチェックを入れ、 をクリックします。

手順3
次の画面で をクリックします。

手順4
「Restore successful!」と表示されたら、復元が完了です。 をクリックします。

手順5
復元後、ブログ・サイトに問題がないことを確認したら をクリックします。

管理画面を開けないとき復元はどうする?
もしWordPressの管理画面を表示できないようなトラブルが発生してしまったら、UpdraftPlusプラグインを使った復元作業は不可能です。
こんなときは、FTPソフトを使って復元することができます。
サーバーにあるファイルをダウンロード・編集したり、サーバーへファイルをアップロードしたりすることができるソフトウェアです。「Filezilla」「FFFTP」「WinSCP」などの無料ソフトがよく使われています。
FTPソフトは、サーバーとパソコンとの間でファイルをやり取りするために使います。ファイルのダウンロード/アップロード/編集などは、WordPress管理画面上でも実行することができます。なのに、なぜFTPソフトを使う必要があるのでしょうか?
例として、下記の条件でWordPressサイトを復元する手順を紹介します。
- テーマをカスタマイズする前に、UpdraftPlusプラグインでバックアップしていた
- テーマをカスタマイズしたらエラーが発生し、管理画面を表示できなくなった
- FTPソフト「WinSCP」を使用して復元する
手順1
FTPソフトで、サーバー内のバックアップデータにアクセスします。データは、下記の場所に保存されています。
ドメイン/public_html/wp-content/updraft
手順2
テーマ関連ファイルのバックアップデータをダウンロードします。
バックアップデータの種類は、ファイル名の末尾を見るとわかります。
- データベース:「backup_(バックアップ日時)_…-db.gz」
- 画像:「backup_(バックアップ日時)_…-uploads.zip」
- テーマ:「backup_(バックアップ日時)_…-themes.zip」
- プラグイン:「backup_(バックアップ日時)_…-plugins.zip」
同じ末尾のファイルが複数ある場合、バックアップ日時で復元したいデータを判別してください。

手順3
ダウンロードしたZIPファイルを展開(解凍)すると、テーマファイルのバックアップデータが格納されています。復元したいテーマのファイルを下記の場所にアップロード(上書き)すると、復元が完了します。
ドメイン/public_html/wp-content/themes

まとめ
WordPressでのトラブルは、いつ発生するか予測できません。定期的にバックアップを取ることが大切です。少なくとも、週1回はバックアップを取ることをおすすめします。
WordPress初心者さんでも、UpdraftPlusプラグインを利用すれば簡単で確実にバックアップを取ることができます。テーマのカスタマイズ前など任意のタイミングで手動バックアップができるほか、週1回などの自動バックアップを設定することも可能です。UpdraftPlusプラグインなら、復元も簡単です。
UpdraftPlusプラグインでバックアップしたデータは、サーバー内に保存されます。サーバーの不具合に対応するためには、バックアップデータを定期的にダウンロードしたり、オンラインストレージと連携して自動保存することが望ましいです。
もしWordPressの管理画面を表示できないようなトラブルが発生してしまったら、UpdraftPlusプラグインを使った復元作業はできません。こんなときは、FTPソフトを使って復元することができます。
いつ起こるかわからないトラブルに備え、定期的にバックアップを取りましょう!