多くのレンタルサーバーで、WordPressの自動インストール(簡単インストール)機能が提供されています。しかし、何らかの理由で簡単インストール機能が利用できない場合は、手動でのインストールが必要です。
手動インストール以外の方法については、WordPressをインストールする方法まとめをお読みください。
手動インストールを始める前に知っておきたいこと
WordPress(ワードプレス)は、サーバーにインストールすることによって稼働するソフトウェアです。
インストールの基礎知識
WordPressの本体は、公式サイト(WordPress.org)で無料配布されています。WordPressをインストールするための大まかな流れは、以下のとおりです。
- WordPress本体を公式サイトからダウンロードする
- WordPress本体をサーバーにアップロードする
- インストールに必要な設定をする
何年も前に書かれた古い書籍やWeb記事では、上の手順を1つずつ手作業で行うよう説明されています。
しかし最近では、インストールに関わる煩雑な作業が自動化された、初心者向けの便利なサービスが普及しています。
基本的には簡単インストールを利用する
WordPressが使えるレンタルサーバーのほとんどが、インストール作業を簡略化するための自動インストール(簡単インストール)機能を提供しています。
特にサーバー初心者の人は、簡単インストール機能を利用するのが無難です。
主なレンタルサーバーの簡単インストール機能
もし、次の理由などで簡単インストール機能が利用できない場合は、手動でのインストールが必要です。
- 簡単インストールを提供していないレンタルサーバーを使っている
- 自社(自宅)でサーバー環境を構築している
インストールする前に準備すること
インストールを始める前に、次の3つを済ませておきましょう。
レンタルサーバーの申し込み
WordPressが使えるレンタルサーバーに申し込む必要があります。おすすめは、このサイトでも使っている「エックスサーバー」です。
サーバーとドメインの紐付け
独自ドメインを使用する場合は、サーバーとドメインを連携させるため、紐付けの作業が必要です。たとえば、お名前.comで取得した独自ドメインをエックスサーバーで使う場合は、下記ページで紹介している作業をしなければなりません。
FTPソフトの接続設定
FTPソフト(FTPクライアント)は、サーバーとパソコンとの間でファイルを送受信するためのソフトです。今回は、WordPress本体をサーバーにアップロードするために必要です。
WordPressを手動でインストールする方法
準備ができたら、以下の手順でWordPressをインストールしてみましょう。
1.データベースの作成
データベースは、Webサイトに関わるさまざまな情報を保管する場所です。WordPressでは、管理画面から入力したコンテンツのデータ(記事のタイトルや本文など)をデータベースに保管する仕組みになっています。
WordPressでは、「MySQL(または MariaDB)」というデータベースを使います。WordPressを手動でインストールする場合は、MySQLデータベースを自分で作成しなければなりません。
この記事では「エックスサーバー」を例として、データベース(MySQL)を用意する手順をくわしく説明します。大まかな流れは、以下のとおりです。
- MySQLを作成する
- MySQLユーザーを作成する
- 作成したユーザーに、MySQLへのアクセス権を与える
1-1.MySQLを作成する
エックスサーバーのサーバーパネルにログインし、[MySQL設定]をクリックします。
[MySQL追加]タブをクリックします。
[MySQLデータベース名]を半角文字で入力し、[確認画面へ進む]をクリックします。
入力内容に問題がなければ、[追加する]をクリックします。
以上でMySQLが追加できました。続いて、MySQLのユーザーを作成します。
1-2.MySQLユーザーを作成する
[MySQLユーザ追加]タブをクリックします。
[MySQLユーザID]と[パスワード]を半角文字で入力し、[確認画面へ進む]をクリックします。
入力内容に問題がなければ、[追加する]をクリックします。
以上でMySQLユーザーが追加できました。続いて、1.で作成したデータベースへのアクセス権を与える設定をします。
1-3.MySQLアクセス権を与える
[MySQL一覧]をクリックします。
[アクセス権未所有ユーザ]のプルダウンからアクセス権を設定したいユーザー名を選択し、[追加]をクリックします。
以上でアクセス権が設定できました。[戻る]をクリックしてください。
ここまでの手順で、MySQLデータベースの作成が完了です。以下の内容は、メモできていますか?
- MySQLデータベース名
- MySQLユーザID
- MySQLユーザのパスワード
- MySQLx.x ホスト名
次に、WordPressのソフト本体を、公式サイトから入手します。
2.WordPressのダウンロード
WordPress公式ページ(日本語)にアクセスして、[WordPress x.x.x をダウンロード]をクリックします。
ダウンロードされたファイルは、ZIPという圧縮形式のファイルです。圧縮ファイルをサーバーにアップロードするためには、展開(解凍)する必要があります。
解凍方法がわからない場合は、下記ページを参考にしてください。
ZIPファイルを展開すると、「wordpress」という名前のフォルダが生成されます。
3.WordPressのアップロード
WordPress本体をアップロードするには、FTPソフトを使います。
3-1.WordPressをインストールするフォルダにFTP接続する
FTPソフトを起動して、サーバー側はWordPressをインストールするフォルダに接続します。
FTP接続先: /example.com/public_html
3-2.「wordpress」フォルダの中身をアップロードする
先ほどZIPファイルの展開によって生成された「wordpress」フォルダに含まれる全てのフォルダ・ファイルを、サーバーにアップロードします。
アップロードが完了したら、先に作成した「MySQLデータベース」と「WordPress」とを接続する設定を行います。
4.データベースの接続設定
データベースの接続設定をするには、下記URLにアクセスします。
http://(ドメイン名)/wp-admin/setup-config.php
下の画面が表示されたら、[さあ、始めましょう]をクリックします。
データベースの作成時にメモしておいた内容をそれぞれ入力し、[送信]をクリックします。
テーブル接頭辞について
一般的には、テーブル接頭辞は変更する必要はありません。
MySQLデータベースの中には、いくつかの「テーブル」が作成されます。テーブル接頭辞は、各テーブル名の先頭に自動付与される文字列です。もし同じデータベース内に複数のWordPressをインストールしたい場合は、テーブル名の重複を避けるために接頭辞を変更する必要があります。
たとえば、レンタルサーバー「ロリポップ」のライトプランではMySQLデータベースを1つしか作成できないため、複数のWordPressをインストールする場合はテーブル接頭辞を変更しなければなりません。
以下の画面が表示されたら、データベースの接続設定が成功しています。[インストール実行]をクリックします。
「データベース接続確立エラー」画面が表示される
データベース接続情報を入力・送信した後、下のようなエラーが表示されることがあります。
エラーが表示される理由として考えられるのは、
- 接続情報の入力内容が間違っている
- ユーザーのアクセス権が設定できていない
などがあります。再確認の上、[もう一度お試しください]をクリックして正しい情報を入力し直してみてください。
5.サイト情報の入力
データベースの接続設定完了後に[インストール実行]をクリックすると、以下の画面が表示されます。ここには、あなたが作成するブログ/サイトの情報を入力します。
サイトのタイトル | あなたが作成するブログ/サイトのタイトルを入力 |
---|---|
ユーザー名【重要】 | WordPress管理画面にログインするときのユーザー名 |
パスワード【重要】 | WordPress管理画面にログインするときのパスワード |
メールアドレス | WordPressからの通知(アップデート完了時やエラー発生時など)を受信するためのメールアドレス |
検索エンジンでの 表示 | 検索エンジンの検索結果に表示させたくない場合はチェック(通常はチェックしない) |
画面には「ご心配なく、これらの情報は後からいつでも変更できます」とありますが、「ユーザー名」は後から変更できないのでご注意ください。
「成功しました!」と表示されたら、WordPressのインストールが完了です。お疲れ様でした!
インストール完了画面で[ログイン]をクリックすると、WordPress管理画面のログインページが開きます。
まとめ
WordPressは、サーバーにインストールすることによって稼働するソフトです。
WordPressが使えるレンタルサーバーのほとんどが、自動インストール(簡単インストール)機能を提供しています。特にサーバー初心者の人は、簡単インストール機能を利用するのが無難です。
しかし、何らかの理由で簡単インストール機能が利用できない場合は、手動でのインストールが必要です。
手動インストール前に準備すること
WordPressの手動インストール手順
インストールが完了したら、WordPress管理画面にログインしてみましょう。記事を書く前に、いくつかの初期設定が必要です。