多くのレンタルサーバーで、WordPressの自動インストール(簡単インストール)機能が提供されています。しかし、何らかの理由で簡単インストール機能が利用できない場合は、手動でのインストールが必要です。この記事では、WordPressを手動でインストールする方法を詳しく説明しています。
WordPressのインストール
WordPress(ワードプレス)とは?にも書きましたが、WordPressはサーバーにインストールすることによって稼働するソフトです。
インストールの基礎知識
WordPressのソフト本体は、WordPressの公式サイトで無料配布されています。ワードプレスをインストールするための大まかな流れは、以下のとおりです。
- WordPress本体を公式サイトからダウンロードする
- WordPress本体をサーバーにアップロードする
- インストールに必要な設定をする
何年も前に書かれた古い書籍やWeb記事では、上の手順を1つずつ手作業で行うよう説明されています。
しかし最近では、インストールに関わる煩雑な作業が自動化された、初心者向けの便利なサービスが普及しています。
基本的には簡単インストールを利用する
WordPressが使えるレンタルサーバーのほとんどが、インストール作業を簡略化するための自動インストール(簡単インストール)機能を提供しています。
特に、初めてサーバーを使う初心者さんは、簡単インストール機能を利用するのが無難です。
独自ドメインの取得や独自SSL化の設定も簡単にできる、以下のサービスがおすすめです。
もし何らかの理由で簡単インストール機能が利用できない場合は、手動でのインストールが必要です。
WordPressを手動でインストールする手順
手動でのインストールは、ある程度パソコンの操作に慣れていれば、それほど難しい作業ではありません。ただ、事前にいくつかの準備が必要です。
手動でインストールする前に準備するもの
インストールを始める前に、以下について準備しておきましょう。
- レンタルサーバーの申し込み
- サーバーとドメインのひも付け
- FTPソフトの接続設定
- レンタルサーバーの申し込み
-
WordPressが稼働するための条件を満たすレンタルサーバーに申し込む必要があります。条件は、以下のとおりです。
- PHP バージョン 7.4 以上
- MySQL バージョン 5.6 以上(または MariaDB 10.1以上)
詳しい説明は、WordPressを始めるために必要なものをお読みください。
- サーバーとドメインのひも付け
-
独自ドメインを使用する場合は、サーバーとドメインのひも付けが必要です。
- FTPソフトの接続設定
-
FTPソフト(FTPクライアント)は、サーバーとパソコンとの間でファイルを送受信するためのソフトです。今回は、WordPress本体をサーバーにアップロードするために必要です。
FTPソフトの使い方は、WordPressユーザーのためのFTPソフトの使い方【初心者向け】で説明しています。
準備ができたら、以下の手順でWordPressをインストールしてみましょう。
- データベースの作成
- WordPressのダウンロード
- WordPressのアップロード
- データベースの接続設定
- サイト情報の入力
1.データベースの作成
データベースは、Webサイトに関わるさまざまな情報を保管し、抽出・加工などができるソフトです。WordPressでは、管理画面から入力したコンテンツデータ(記事のタイトルや本文など)をデータベースに保管する仕組みになっています。
WordPressでは、先ほども紹介した「MySQL(または MariaDB)」というデータベースを使います。WordPressを手動でインストールする場合は、MySQLデータベースを自分で作成しなければなりません。
ここからは「エックスサーバー」を例として、データベース(MySQL)を作成する手順を詳しく説明します。大まかな流れは、以下のとおりです。
- MySQLを作成する
- 1.のMySQLを利用するユーザーを作成する
- 2.のユーザーに、1.のMySQLへのアクセス権を付与する
1-1.MySQLデータベースを追加(新規作成)する
エックスサーバーのサーバーパネルにログインし、[MySQL設定]をクリックします。

[MySQL追加]タブをクリックします。

[MySQLデータベース名]を半角文字で入力し、[確認画面へ進む]をクリックします。

入力内容に問題がなければ、[追加する]をクリックします。

以上でMySQLが追加できました。続いて、MySQLのユーザーを作成します。
1-2.MySQLユーザーを追加(新規作成)する
[MySQLユーザ追加]タブをクリックします。

[MySQLユーザID]と[パスワード]を半角文字で入力し、[確認画面へ進む]をクリックします。

入力内容に問題がなければ、[追加する]をクリックします。

以上でMySQLユーザーが追加できました。続いて、1.で作成したデータベースへのアクセス権を与える設定をします。
1-3.MySQLアクセス権を与える
[MySQL一覧]をクリックします。

[アクセス権未所有ユーザ]のプルダウンからアクセス権を設定したいユーザー名を選択し、[追加]をクリックします。

以上でアクセス権が設定できました。[戻る]をクリックしてください。

エックスサーバーの場合、MySQL一覧画面の下部に「MySQLx.x情報」の表があります。表内の[MySQLx.x ホスト名]を確認してください。

ここまでの手順で、MySQLデータベースの作成が完了です。以下の内容は、メモできていますか?
- MySQLデータベース名
- MySQLユーザID
- MySQLユーザのパスワード
- MySQLx.x ホスト名
次に、WordPressのソフト本体を、公式サイトから入手します。
2.WordPressのダウンロード
WordPress公式ページ(日本語)にアクセスして、[WordPress x.x.x をダウンロード]をクリックします。

ダウンロードされたファイルは、ZIPという圧縮形式のファイルです。圧縮ファイルをサーバーにアップロードするためには、展開(解凍)する必要があります。
解凍方法がわからない場合は、下記ページを参考にしてください。
ZIPファイルを展開すると、「wordpress」という名前のフォルダが生成されます。
3.WordPressのアップロード
WordPress本体をアップロードするには、FTPソフトを使います。
3-1.WordPressをインストールするフォルダにFTP接続する
FTPソフトを起動して、サーバー側はWordPressをインストールするフォルダに接続します。
たとえば、以下のような条件
- サーバー:エックスサーバー
- ドメイン:example.com
でWordPressをインストールする場合、FTPソフトは
に接続します。
3-2.「wordpress」フォルダの中身をアップロードする
先ほどZIPファイルの展開によって生成された「wordpress」フォルダに含まれる全てのフォルダ・ファイルを、サーバーにアップロードします。

アップロードが完了したら、先に作成した「MySQLデータベース」と「WordPress」とを接続する設定を行います。
4.データベースの接続設定
データベースの接続設定をするには、下記URLにアクセスします。
http://(ドメイン名)/wp-admin/setup-config.php
下の画面が表示されたら、[さあ、始めましょう]をクリックします。

データベースの作成時にメモしておいた内容をそれぞれ入力し、[送信]をクリックします。

一般的には、テーブル接頭辞は変更する必要はありません。
MySQLデータベースの中には、いくつかの「テーブル」が作成されます。テーブル接頭辞は、各テーブル名の先頭に自動付与される文字列です。もし同じデータベース内に複数のWordPressをインストールしたい場合は、テーブル名の重複を避けるために接頭辞を変更する必要があります。
たとえば、レンタルサーバー「ロリポップ」のライトプランではMySQLデータベースを1つしか作成できないため、複数のWordPressをインストールする場合はテーブル接頭辞を変更しなければなりません。
以下の画面が表示されたら、データベースの接続設定が成功しています。[インストール実行]をクリックします。

データベース接続情報を入力・送信した後、下のようなエラーが表示されることがあります。

エラーが表示される理由として考えられるのは、
- 接続情報の入力内容が間違っている
- ユーザーのアクセス権が設定できていない
などがあります。再確認の上、[もう一度お試しください]をクリックして正しい情報を入力し直してみてください。
5.サイト情報の入力
データベースの接続設定完了後に[インストール実行]をクリックすると、以下の画面が表示されます。ここには、あなたが作成するブログ/サイトの情報を入力します。

サイトのタイトル | あなたが作成するブログ/サイトのタイトルを入力 |
---|---|
ユーザー名【重要】 | WordPress管理画面にログインするときのユーザー名 |
パスワード【重要】 | WordPress管理画面にログインするときのパスワード |
メールアドレス | WordPressからの通知(アップデート完了時やエラー発生時など)を受信するためのメールアドレス |
検索エンジンでの表示 | 検索エンジンの検索結果に表示させたくない場合はチェック(通常はチェックしない) |
「成功しました!」と表示されたら、WordPressのインストールが完了です。お疲れ様でした!

インストール完了画面で[ログイン]をクリックすると、WordPress管理画面のログインページが開きます。

まとめ
WordPressは、サーバーにインストールすることによって稼働するソフトです。
WordPressが使えるレンタルサーバーのほとんどが、ワードプレスの自動インストール(簡単インストール)機能を提供しています。特に、初めてサーバーを使う初心者さんは、簡単インストール機能を利用するのが無難です。
しかし、何らかの理由で簡単インストール機能が利用できない場合は、手動でのインストールが必要です。
- レンタルサーバーの申し込み
- サーバーとドメインのひも付け
- FTPソフトの接続設定
- データベースの作成
- WordPressのダウンロード
- WordPressのアップロード
- データベースの接続設定
- サイト情報の入力
インストールが完了したら、WordPress管理画面にログインしてみましょう。