WordPress.comとWordPress.orgの違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
- WordPressには2種類あるの?
- 「.com」と「.org」のどちらを選べばいいの?
- 「.com」から「.org」に移行するにはどうすればいい?
上記の疑問をわかりやすく解決します。
こんにちは。この記事を書いた、かずよしといいます。2010年からWordPressを使っています。
この記事を書いた、かずよしです
ユーザー数のべ800万人超えの情報サイト「WordPress超初心者講座」を管理・運営する人。ワードプレスの始め方や使い方を、初心者向けにやさしく解説します。
本格的にブログを運営するなら
「WordPress.org」がおすすめ!
ワードプレスの始め方を詳しく見るには
下のボタンをクリックしてください
WordPressを使う方法は2つある
WordPress(ワードプレス)は、ブログやウェブサイトを簡単に作ることができるソフトウェアです。
さて、「WordPressは2種類ある」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、WordPressというソフトウェアはこの世に1つだけです。
「2種類ある」と言われる理由は、WordPressの利用形態が2つあるからです。
上記のうち、一般的なブログ運営に使われるのは「WordPress.org」のほうです。
ブログサービス型の「WordPress.com」
「WordPress.com」というブログサービスでは、会員登録(無料)するだけでワードプレスを使い始めることができます。
ワードプレスを利用するための環境はWordPress.comが用意してくれるので、手軽に始められます。
例えるなら、すでに建てられている家を借りるようなイメージです。
インストール型の「WordPress.org」
ワードプレスの公式サイト「WordPress.org」で無料配布されているソフトウェアを利用する方法です。
ソフトウェアを動かすための環境は、自分で用意する必要があります。動作環境を用意するには、WordPressをレンタルサーバーにインストールしなければなりません。
例えるなら、レンタルサーバーという土地に家を建てるようなイメージです。
すでにWordPressをレンタルサーバーにインストールしている方で、ログインするときに「ユーザーが存在しません。…」と表示される場合は、「WordPress.com」にアクセスしてしまっている可能性があります。
正しいログイン画面へのアクセス方法については、WordPress管理画面にログインできないときの解決策をお読みください。
ここまでの説明だけだと「WordPress.comのほうが始めやすそうだな」と感じたかもしれませんね。
しかし、注意しなければならないことがあります。それは、無料でWordPress.comを利用する場合は様々な機能が制限されるという点です。
さらに、制限を解除するには有料プランに加入する必要があります。正直に言うと、WordPress.comのコスパはよくないです。
「本格的にブログやサイトを始めたい」という人は、「WordPress.org」を利用するべきです。
次の章で、WordPress.comとWordPress.orgの違いについて詳しく見ていきましょう。
WordPress.comとWordPress.orgの違い
WordPress.comとWordPress.orgの違いについて、以下の項目ごとに比較します。
手軽さ
ワードプレスを手軽に始められるのは、WordPress.comです。
WordPress.comの手軽さ
WordPress.comのアカウント登録に必要なのは、メールアドレスのみ。画面の指示に従って入力していくだけでWordPressサイトを開設することができます。
ただし、無料プランの場合は機能がかなり制限されます。制限を解除するには、有料プランに加入しなければなりません。利用料金の説明はこちら。
WordPress.orgの手軽さ
一方、インストール型のWordPress.orgでサイトを開設するには、次の手順が必要です。以前は、サイトを開設するだけでもかなりの手間と時間がかかっていました。
- レンタルサーバーの契約
- 独自ドメインの取得
- サーバーとドメインの紐付け
- WordPressのダウンロード
- WordPressのインストール
- SSL設定
しかし、いまは上記の手順を全て自動化するサービスを利用できます。一部のレンタルサーバーが自動化サービスを提供しています。
中でもおすすめなのは、エックスサーバーの「WordPressクイックスタート」です。
WordPress開設にかかる時間は、たった10分ほど。初心者でも迷うことなくワードプレスを始められます。
WordPressクイックスタートの利用手順は、別記事「WordPressの始め方」で詳しく解説しています。
さらに、WordPress.orgを使う場合、セキュリティ対策は基本的に自己責任で行わなければなりません。詳しくは、下記ページをお読みください。
機能性
機能性で優位なのは、WordPress.orgです。
WordPress.comの機能性
WordPress.comでワードプレスの全ての機能を使うためには「Creatorプラン」に加入する必要があります。Creatorプランを利用するには、月額5,600円以上 ※ もの料金がかかります。
- 2024年2月時点の月払いの料金
1つ下位の料金プラン「Explorer」ではプラグインやテーマを自由に使えないため、カスタマイズの自由度がかなり低いです。
WordPress.orgの機能性
一方、インストール型のWordPress.orgなら機能の制限は一切ありません。WordPressの大きな特長である「プラグイン」や「テーマ」を自由に利用できるのが魅力です。
プラグインとは、ワードプレスの機能を拡張できる「オプション」のようなものです。WordPress.org公式サイトには、およそ60,000件の無料プラグインが登録されています。
テーマとは、サイトの外観を決めるデザインテンプレートのことです。数えきれない多くのテーマが配布・販売されています。
独自ドメイン
独自ドメインを使うと、オリジナルのURLでWordPressブログを運用することができます。以下の理由から、独自ドメインを利用するメリットはとても大きいです。
- サービス終了のリスクがない
- サイトの信頼性が高まる
独自ドメインでブログ・サイトを運用するなら、WordPress.orgのほうがおすすめです。
WordPress.comの独自ドメイン
WordPress.comで独自ドメインを利用するには、有料プランへの加入が必要です。有料プランでは、初年度のみ無料で独自ドメインを使うことができます。
2年目以降にかかる独自ドメインの料金例(2024年2月時点)
- .blog:3,048円/年
- .com:1,663円/年
無料プランでは独自ドメインが使えません。WordPress.comが提供する共用ドメインを利用するため、サイトのURLは次のようになります。
https:/○○○○○○.wordpress.com/
○○○○○○の部分に任意の文字列を指定できる
WordPress.orgの独自ドメイン
WordPress.orgの場合、レンタルサーバーによっては独自ドメインの利用料金が永久無料になります。
おすすめNo.1のエックスサーバーなら、最大2個の独自ドメインが無料で使えます。
例えば「.blog」ドメインなら、本来は年間3,000円以上の料金が必要です。しかし、エックスサーバーなら契約中はずっと無料で使うことができます。
\ 独自ドメインがずっと無料 /
収益化
WordPressで作成したブログ・サイトで収益化するには、WordPress.orgのほうが優位です。
ブログを収益化する方法として主流なのが「広告」による収入です。WordPressブログで広告収入が得られる仕組みは、下記ページで詳しく解説しています。
WordPress.comの収益化
WordPress.comの無料プランでは、サイト上に意図しない広告が表示されてしまいます。広告を非表示にするには、有料プランへの加入しなければなりません。
また、広告収入による収益化をするには、さらに高額の有料プランに加入する必要があります。
WordPress.com の公式広告プログラム「WordAds」を利用できるようにはなりますが、掲載できるアフィリエイト広告には制限があるので収益化しにくいです。
WordPress.orgの収益化
WordPress.orgでは、基本的に広告掲載の制限はないです。
ただし、レンタルサーバーによっては次のようなケースもあります。レンタルサーバーに申し込むときは、事前に利用規約や仕様を確認してください。
- 自動広告が表示される場合がある
- 掲載できない広告ジャンルがある
おすすめのエックスサーバーなら、意図しない広告が勝手に表示されることはありません。ただし、アダルト系ジャンルの広告等は掲載できないので注意してください。
アダルト系広告を掲載するなら、シンレンタルサーバーがおすすめです。当サイトで紹介しているおすすめレンタルサーバーの1つで、エックスサーバー株式会社が運営しています。
サポート
サポート面について、WordPress.comとWordPress.orgの特徴を比較します。
WordPress.comのサポート
WordPress.comの無料プランにサポートは付いていません。有料プラン最安のStarterプランに年額支払いで加入すると、メールサポートを受けられるようになります。
さらに上位のExplorerプランではライブチャットサポートも受けられますが、英語しか対応していません。
WordPress.orgのサポート
一方、WordPress.orgでは公式サイトによる個別サポートはありませんが、以下のサイトを利用できます。
- フォーラム:WordPressに関する公式Q&Aサイト
- ドキュメンテーション:WordPressの公式マニュアルサイト
また、「WordPress」に関する書籍やウェブサイトの大半は、「WordPress.org」の使い方について解説しています。
このように、WordPress.orgについての参考になる情報はたくさんあるので安心してください。
インストール型のWordPress.orgを使う上で大切なのが、サポートが充実したレンタルサーバーを選ぶことです。万が一トラブルが発生した時、解決にかかる時間がレンタルサーバーによって大きく異なるからです。
エックスサーバーのメールサポートなら、24時間365日対応しています。質問への回答もスピーディです。
何度かサポートを利用していますが、最速30分くらいで返信が届いた経験があります
利用料金
利用料金については、比較するのが難しいです。なぜなら、インストール型のWordPress.orgのほうは、どのレンタルサーバーを利用するかで料金が異なるからです。
今回は、おすすめNo.1のエックスサーバーの利用料金を掲載しました。
その他のおすすめレンタルサーバーは、下記ページで紹介しています。
WordPress.comの利用料金
WordPress.comの主要プランは、以下の5つです。料金の安い順に並んでいます。
- 無料
- Starter
- Explorer
- Creator
- Entrepreneur
1ヶ月あたりの各プランの利用料金は、下表のとおりです。
支払い方法 | 無料 | Starter | Explorer | Creator | Entrepreneur |
---|---|---|---|---|---|
月払い | 0円 | 1,269円 | 2,537円 | 5,638円 | 9,867円 |
年払い | 0円 | 564円 | 1,128円 | 3,524円 | 6,343円 |
(2024年2月時点)
有料プランで独自ドメインを利用する場合、初年度は無料ですが、2年目以降は別途料金がかかります。
2年目以降にかかる独自ドメインの料金例(2024年2月時点)
- .blog:3,048円/年
- .com:1,663円/年
また、ワードプレスの全機能を使うためには「Creator」プラン以上に加入する必要があります。独自ドメインの料金と合わせると、2年目からは最低でも月に5,000円以上かかってしまいます。
WordPress.orgの利用料金
インストール型のWordPress.orgは、ソフトウェア自体は無料です。しかし、以下を利用するのに費用がかかります。
- レンタルサーバー
- 独自ドメイン
レンタルサーバーの料金は、月々数百円から使えるものもあれば、数万円かかるものもあります。また、独自ドメインの利用料金も、種類(.comや.blogなど)によって異なります。
おすすめのエックスサーバーの料金は、契約期間が長くなるほど割安になります。下表は、初回申し込み時に支払う金額(税込)を掲載しています。
契約期間 | 月額費用 | 初回支払額 |
3ヶ月 | 1,320円 | 3,960円 |
6ヶ月 | 1,210円 | 7,260円 |
12ヶ月 | 1,100円 キャッシュバックで 実質550円 | 13,200円 キャッシュバックで 実質6,600円 |
24ヶ月 | 1,045円 キャッシュバックで 実質522円 | 25,080円 キャッシュバックで 実質12,540円 |
36ヶ月 | 990円 キャッシュバックで 実質495円 | 35,640円 キャッシュバックで 実質17,820円 |
2024年7月10日更新
エックスサーバーでは、独自ドメインが2個まで永久無料になります。適用条件については、エックスサーバーの公式サイトで確認してください。
WordPress.comとWordPress.orgの比較まとめ
ここまでにWordPress.comとWordPress.orgを比較した内容から、それぞれのメリット・デメリットをまとめます。
WordPress.comのメリット・デメリット
- 無料で使える
- 手軽にワードプレスを始められる
- 無料プランでは独自ドメインが使えない
- プランによってはプラグインやテーマを自由に使えない
- 掲載できる広告に制限があるので収益化しづらい
- ワードプレスの全機能が使えるプランの料金が高すぎる
無料で手軽に始められるのは魅力ですが、何かと制限が多いので本格的なブログ運営には向いていません。
WordPress.orgのメリット・デメリット
- 機能制限なくワードプレスを使える
- レンタルサーバーによっては独自ドメインを無料で使える
- 広告掲載の制限がないので収益化しやすい
- 公式マニュアルや関連書籍などで情報を探しやすい
- コストパフォーマンスがよい
- ワードプレスをインストールしなければならない
- レンタルサーバーの利用料金がかかる
本格的にブログ・サイトを運営するなら、WordPress.orgが断然おすすめ!上記のデメリットは、エックスサーバーに申し込むことで解決できます。
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WordPress.comからWordPress.orgへの移行
すでにWordPress.comで運用しているブログを、WordPress.orgに移行することができます。ただし、以下のように多くの手順が必要です。
- 独自ドメインの取得
- ルートディレクトリの設定
- プラグインのインストール
- WordPress.comからの記事の引越し
- 301リダイレクトの設定(任意)
ブログのコンテンツ量が多すぎると、移行が失敗することもあるようです。不安であれば、専門家に相談することをおすすめします。